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南鍼灸院(完全予約制)



治療方針

脈を診るとすべてわかる、といった名人芸は一切しません。

患者さんが自分でもわかる腹診を重視します。

症状だけでなく、身体全体の状態の改善を目指します。

治療は全体治療です。

九鍼(刺絡・長鍼・火鍼・圓利鍼など)を使います。

陰陽五行説は参考程度で、それをもとに断定はしません。

かかりつけ医にも適切な説明を心がけています。

江戸時代の先人の診断法と治療法を基礎にしています。

症状がなくなったら治ったと思われますが、身体にはいろんな悪いサインがあります。
急な痛みは手足先のツボを利用することでよく除かれますが、慢性的な痛みや病は必ずお腹や背中に滞りを生じます。
日本の伝統医学は腹診が発達してお腹を重視します。
お腹に渋滞があると必ず背中に凝りや毛穴の開き、産毛が濃くなる、などの悪い状態となります。
痛みが消えるだけでなく、お腹や背中の悪いサインがなくなるまで治療を続けると体質が改善できます。

例えば乳がんの方はよく背中に産毛が渦巻いています。これがなくなればよいでしょう。
また左側が多いと感じます。お腹のガスの圧迫が影響していると推察しています。
根本治療には、お腹のガスをなくし、背中の状態もよくする必要があります。
そのためには鍼灸・漢方治療だけではなく、食養生やストレス発散法なども必要となりますのでアドバイスします。

治療は基本的に全身に行います。
鍼灸の特徴の一つとして即効性がありますが持続性に欠けるところもあります。例えば肩凝りの治療をしてもらうと気持ちがいいけど、終わったとたんにもとに戻ってしまうこともよくあります。肩凝りの原因を除いていないからです。

肩凝りの大きな原因の一つとして、腹部のガスや血行不良が背部を圧迫していることがあります。腹部の滞りの除くために、手足に誘導するので、肩凝りとは関係のなさそうな手足にも治療を行います。こういう全体的な治療をすることによって効果が長引きます。耳鼻科疾患や眼科疾患も首肩凝りが原因になっていることもあるので、局所の治療だけではなく、結局は全身の治療となります。

治療でお腹のガスが除かれると、お腹がごろごろ鳴ったりゲップがでることもあります。ときには下痢・発熱・嘔吐・倦怠感・不正出血などの症状がでることもあります。滞りが治療によって急に除かれる現象です。びっくりするかもしれませんが治療が効いている反応なのでご安心ください。

当院使用のハリは、太い中国針と違って、非常に繊細な日本のハリです。 灸は大きな打膿灸とは、まったく異なる米粒半分大の小さな灸ですので痕はほとんどわかりません。

また痕のつかない温灸もあり、自分でできるようご指導しています。一度お灸のやり方を覚えると、自己管理ができて一生の宝となります。「ご家庭で温灸を!」をご参照ください。

使用するハリは、ディスポ鍼、または各患者さんのハリをキープしておりますので感染の心配もありません。

ハードな刺激を好まれる方には、特殊鍼法である、長鍼火鍼刺絡なども治療として行なっております。様々な疾患に非常に効果的です。

刺絡(しらく)というのは、うっ滞した悪血を取り除く、古代から世界中で行われてきた治療法です。産後や、血行の悪いところには、細絡といって、赤紫色の糸ミミズのような血管が出現します。裏、肩背、腰、眼下によくあります。これにハリをして、すい玉で真空状態にすると、黒く粘った悪血がでてきて、血行が改善されます。何をやっても治らない頑固な肩こり・腰痛や慢性病によく奏功します。

治療費 5000円 学生:4000円 初診料なし

南鍼灸院
大阪市天王寺区大道2-1-24
(寺田町公園南側)
電話:06-6773-3099


治療方法

特殊な方法である、長鍼・火鍼・員利鍼・刺絡なども日常の治療に使っていますので、他ではなかなか治らない様々な疾患にも効果的です。

○鍼
当院使用のハリは、太い中国針と違って、非常に繊細な日本のハリです。病名にこだわらず、背部の凝りやお腹の滞りを除き、手足の重要なツボにハリをすると、病気の治療だけでなく、予防としても役立ちます。

鍼

○長鍼
肩背の頑固な凝りや痺れ、四十腕・五十肩に効果的です。当院では毎日使用しています。15cm~43cmの長さをご用意しています。

長鍼

○火鍼
冷えると痛むものや、頑固な痛みに使いますので冬場によく使います。

長鍼 長鍼 長鍼

○刺絡
うっ滞した悪血を取り除く、古代から世界中で行われてきた治療法です。産後や、血行の悪いところには、細絡といって、赤紫色の糸ミミズのような血管が出現します。裏、肩背、腰、眼下によくあります。これにハリをして、すい玉で真空状態にすると、黒く粘った悪血がでてきて、血行が改善されます。何をやっても治らない頑固な肩こり・腰痛や慢性病によく奏功します。

刺絡


○小鍼刀
刺絡や圓
利鍼でも効果のない場合に使います。頑固な凝りがへばりついているのを剥がすようなイメージです。木を削っているようにザクザクと音がします。治療の痛みは強いですが、効果的なので再度リクエストされることが多いです。

○灸

お灸は大きな打膿灸とは、まったく異なる米粒半分大の小さな灸ですので痕はほとんどわかりません。

灸 灸

○温灸
痕のつかない温灸もあり、ご自分でできるようお勧めしています。一度お灸のやり方を覚えると、自己管理ができて一生の宝となります。「ご家庭で温灸を!」をご参照ください。熱くなく、痕も残らず、ご自分で簡単にでき、費用もかからない。毎日のからだの手入れとして重宝します。特に子供の健康維持に役立ちます。

温灸 温灸 温灸

南鍼灸院
大阪市天王寺区大道2-1-24
(寺田町公園南側)
電話:06-6773-3099



治療を受ける前に知っていただきたいこと

○瞑眩
瞑眩というのは治療後に起こる不快な症状のことです。滞ったものが急に排出されたり、固まっていた悪いものが治療で動きだす反応です。倦怠感・嘔吐・下痢・不整出血・発熱・痛みの増強などがあることもありますが、治療が効いた反応でもあります。幕末に出版された、『鍼術秘要』という本のなかで、「鍼を刺して後、発熱・頭痛・上衝(のぼせ)・目眩(めまい)・嘔吐・食進まざる等の症を発して、其の原病の一等重く見ゆることあり。此れ鍼術にて効ある験なれば必ず驚くべからず」と説明しています。

○治療後はお風呂に入っていいの?

治療後は1~2時間ほどは横になってゆっくりするほうがよいです。そうすることによって治療効果が高まります。お風呂も治療後は体力を消耗するので止めたほうがよいでしょう。同じく『鍼術秘要』では、こう説明しています。「鍼術終えて後といえども大抵半時ばかりは静かに臥さしめ置くべし」

○治療を受ける服装
背中は重要な治療点がたくさんあるので、背中が開けられるもの、下は膝の上まで上がるような服装がよろしいです。下肢も大切なのでストッキングは脱いでおいてください。


予約について

予約時間は他の患者を断って設けておりますので、キャンセルの場合は早めのご連絡をお願いします。
キャンセル待ちの患者さんもいらっしゃいますので、よろしくお願いします。
 
無断キャンセルがあった場合は、半年間は振り込み制の予約となります。
6時間前までのキャンセルは全額返金で、3時間前までは半額を返金します。
予約時間の一時間前からは返金できませんのでご注意ください。

半年間に再度無断キャンセルがあった場合には、その後は振り込みによる予約のみとさして頂きます。

南鍼灸院
大阪市天王寺区大道2-1-24
(寺田町公園南側)
電話:06-6773-3099



椎間板ヘルニアの症例

○40歳女性
右腰から足にかけて痛むが尻の部分が一番痛い。二年前から痛みはあったが、先々月から更にひどくなった。市民病院に二ヵ月間入院し、硬膜下神経ブロックを五回したがいずれも無効であり、手術をしても治るかどうかは不明といわれて来院。 現在は右腰と臀部が痛み下肢は痺れる。この頃から両足先の冷えもきつくなってきた。寝返りをするたびに痛みで目がさめるので安眠もできない。

治療:腰部及び臀部の圧痛点と陽陵泉・風市・肩井に圧痛が著しいので皮膚刺絡をする。

経過:治療四回目から自覚的に効果がわかり希望がでてきた。週に一~二回治療し四ヶ月程で完治。


○35歳男性
平成10年暮れより腰痛がひどく左側が尻から足にかけて痺れ痛む。二週間入院して神経ブロックをするもその場はよいがすぐに痛くなる。退院後仕事すると痛みが激しくなったので仕事を休んでいる。

治療:臀部の圧痛点及び志室・陽関の下・承扶・承山・絶骨に圧痛があるので皮膚刺絡をする。

経過:週に一回治療して二ヶ月程で良くなる。その後は月に一回の治療で仕事に励んでいる。


○62歳女性
平成11年の二月より右側の腰痛。一週間前から足首のほうまで痛くなり、股関節も痛み寝返りがしにくい。

治療:大腸兪・陽関の下・臀部の圧痛点・殷門・陽陵泉・絶骨の圧痛点に皮膚刺絡をする。

経過:不定期に治療を行い、二ヶ月程で良くなる。


○47歳男性
今までは痛いときは外科に行って神経ブロックでしのいできたが、それも効かなくなってきたので来院。 外科では椎間板ヘルニア以外にも頚椎ヘルニアと診断されており全身が痛むと顔をしかめていう。

治療:肩背・腰部・臀部、下肢は膀胱経及び胆経に沿った圧痛点に皮膚刺絡をする。

経過:毎日治療したが、効果がわかってきたのは五回目からで、それ以後は治療間隔を徐々に長くし、一月程で良くなる。


【考察】
症例はすべて医師が椎間板ヘルニアと診断して、治療をおこなったにもかかわらず痛みがとれないために来院したものである。 鍼灸治療には古典的な手法があるが、単純に圧痛点に施しても効くことが多い。とりわけ刺絡ではよく経験するところである。

今回の症例も弁証はせず、圧痛点を皮膚刺絡しただけの素人療法のようであるがすべてに実によく奏効している。古典的な治療を否定しているのではないが、刺絡の考え方は陰陽虚実以前のもっと原始的なもの、例えば世界の伝統医学に共通する「滞りをなくす」という単純な考えのほうが理解しやすいのではないか。そして刺絡の後に諸派の流儀で調整すれば更に効果的である。

椎間板ヘルニアの治療をいくらか経験すると、圧痛や硬結のある筋肉を軟らげ、滞りをなくすことの重要さがわかってくる。これは椎間板ヘルニアだけに限らず、ほとんどの疾患に於いてもいえることで、例えば局所の患部を手術等で除去しても、周囲の滞りを改善しないことには再発することが多い。刺絡鍼法の場合は、局所治療だけではなく、肩背・腰などの渋滞しやすい処をも治療することが多いので、太極療法となり再発がしにくい。